宇宙で最も冷たい(寒い)天体・惑星・恒星

フレア星

前ページ までは、「最も冷たい天体」と「最も冷たい惑星」を紹介したので、最後に「最も冷たい恒星」を紹介する。

最も冷たい(寒い)恒星

宇宙に星の数ほどもある・・・(というか星だけど・・・)恒星の中で、2016年現在最も冷たい恒星は、

WISEPA J182831.08+265037.8 という名の恒星である。

WISEPA J182831.08+265037.8

この恒星の表面温度は、300K(ケルビン)= 摂氏 約 +25℃ である。

マイナスじゃなくてプラスになっちゃてるじゃん・・・ (・ω・`)
・・・って思います?

いやいや、宇宙の常識で見れば、恒星で +25℃ っていうのは異常に冷たいですよ。
なぜなら、通常、恒星というのは、自らの寿命が尽きるまで核融合を繰り返し、外部にエネルギー放射し続ける星だから。

天文学的な視点で言えば「恒星ってのは、激熱い」ってのが常識。

例えば、我々にとって最も身近にある恒星「太陽」は、宇宙全体から見れば、「どこにでもあるような、ありふれた恒星」でしかない。それでも、もし人間が近づこうものなら、塵も残らないどころか魂すらも瞬間蒸発してしまうであろうエネルギーを放出している。

その「太陽」の表面温度は、一般的には 5772K(ケルビン)= 摂氏 約 +5498.85℃ (※ 以下、注)であり、太陽から吹き出しているコロナに至っては50万~100万℃ 以上である。

※ 注
ただし、太陽の表面温度も「実は 26~27℃ 程度でしかない」という仮説もチラホラある。

それに対して、WISEPA J182831.08+265037.8 の表面温度 25℃ というのは、異常に低いのだ。

ちなみに、WISEPA J182831.08+265037.8 が発見されるまでは、CFBDSIR 1458+10 B という恒星が「最も冷たい星」のタイトルホルダーであった。

CFBDSIR 1458+10

CFBDSIR 1458+10 B の表面温度は、約100℃ (手前の CFBDSIR 1458+10 A は、約270℃)。

つまり、WISEPA J182831.08+265037.8(約 25℃)は、かつてのタイトルホルダーの約 100℃ を 5分の1 という低温で抜き去ったのである。

と言っても、しょせん 25℃ ですからねー。

人間からすれば「冷たい」とか「寒い」って言う表現より、「心地よい」くらいの温度って感じですなぁ。。。