ソビエトの意味
かつてソビエト連邦に属していた国や地域以外からすれば「ソビエト」と言えば、ソビエト社会主義共和国連邦という国家そのものを指すことも多い。
が、「ソビエト」という語は、ロシア語で「Совет サヴィェート」のことで、
- 会議、評議会、協議会、理事会
- 助言、忠告
という一般的な名詞である。
ソビエト連邦における「ソビエト」とは、つまり
ロシア革命の際の革命派(社会主義者の集まり)によって作られた、
主に労働者を中心とした評議会のことである。
ソビエト連邦は、この革命時の考えのもと
「労働者が評議会で意見を出し合って、皆が平等な社会主義の国を作ろう」
という国になるはずだった・・・
実際、ソビエト連邦には、各職場に「ソビエト」と呼ばれる労働者組織(協議会、評議会)があり、さらに上位のソビエト、その上にまたソビエト、そして最上位に「最高ソビエト」という最高議決評議会があった。
が、ソビエト連邦建国以来、この「ソビエト」がまともに機能したことは無かった。
なぜなら党が存在したからだ。どこの国でも、政府はだいたい党の意見で運営される(日本やアメリカも同じ)。
ソビエト連邦の場合は、ソビエト連邦共産党が下部のソビエト(評議会)から最高ソビエトまでを完全に支配してしまっていたため、完全なる一党独裁体制となり、本来なら公の組織ではない党の秘密主義による国家が形成されてしまった。
つまり、ソビエト社会主義共和国連邦は「ソビエト(協議会、評議会)」という名を冠しながら、ソビエトが機能しない国家として、ゴルバチョフによるペレストロイカの時まで60年以上も存続することとなってしまった。
なんとも、非常に残念な国である。
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